■劇場版 空の境界
同名小説の映画化。アニメーション作品です。全七章あり、三章までが同時上映だったので、第三章までを観ました。9時頃から12時過ぎまで、途中に休憩を挟んでの3時間。徹夜明けの眠い目をこすりながら、知人が監督をやっているという事で映画館にまで足を運んだのでした。


▼第一章 「俯瞰風景」 40点/100点満点中
若い女性ばかりが屋上から飛び降りて、謎の死を遂げるという話。その死の謎に迫っていきます。これは人ならざるものの仕業・・・という事で、両儀 式という、ちょっと変わった名前の女の子が解決に乗り出します。最初は水を飲んでいるばかりで何の抑揚もなく、もうダメかと思いましたが、式の左腕に関するシーンから印象深くなっていき、後半の戦闘シーンは絵が凄く綺麗で、動画も滑らか。これはインパクト大。ワクワクしました。戦闘シーンだけでも、見る価値があるのでは?


▼第二章 「殺人考察(前)」 20点/100点満点中
突然、話が数年前へ。被害者が次々と無残な姿で発見される殺人事件が多発。そこで「自分がやった」と名乗りを上げた少女。それが主人公(といっても、別にいなくてもいい主人公ですが)と式との馴れ初めの話。肝心の内容は何を言っているのか分からず、展開についていけないばかりか、数年前の話をしているだけなので派手なアクション(話の起伏)もなく、眠気を抑えるのでやっと。これを1時間も流されては、観ている方もたまらない。結局、自分の頭の中で補完する他はない第二章。唯一、赤い着物が印象的で、結局、両儀 式とは何者なのか? 一風変わったお嬢様なのか? はたまたサイコスプラッターなのか? よく分からないものでした。「殺人考察(後)」の前に、内容を忘れてしまいそうです。


▼第三章「痛覚残留」 65点/100点満点中
幼い頃に痛覚をなくしたはずの少女、浅上藤乃。強姦されたせいで痛みが蘇り、蘇った痛みに悦び、むせび、ついには他人に痛みを強要していく。でも、よく分からない力で凡人を殺しまくり、「今度の相手はやばい。死ぬかも」などと言われても、どれほどやばいのか全く分からない。そりゃ、人殺しなんだからやばいには違いない。
しかしながら、話の流れは分かりやすく、三つの章の中では一番楽しめました。暴走する浅上と両義との一騎打ち。浅上の力は全く分からないけれど、ここで初めて両義の力が「ああ、そういう事か」と分かります。突然パッと出てきた浅上でしたが、前の二章が前座だったのかと思えるほど話の内容がしっかりしている。この話を膨らませて2時間で上映した方が良かったんじゃないだろうか?
そして上映が終わると、無性にハーゲンダッツが食べたくなりました。
総じて「分かる人にだけ分かれば良い」という雰囲気。せめて小説を読んでいけば良かったのですが、どうにも1ページ二段組という小説には慣れておらず、読む気にならない。
一緒に行った友人たちは「凄かったね」と言っていたので、小説を知っている人には、細部にこだわった動きのあるアニメーションは満足できる出来栄えだったのではないでしょうか。小説版の「空の境界」が好きな人にはオススメです。